山下レディースクリニック
排卵誘発剤について
2009年11月3日
排卵誘発剤についてお教え頂きたいのですが、フォリスティウムとhmgの注射の違いはどんなところでしょうか?
又、排卵直前にするスプレキュアの点鼻薬とhcgの注射はどのように違うのでしょうか?
宜しく御願い致します。
まずは、『フォリスチム』とhMG製剤の違いからお答えしま しょう。hMG製剤は、閉経した女性の尿から精製されている薬剤で、FSH(卵胞刺激ホルモン)だけでなく、ごく少量のLH(黄体化 ホルモン)も含まれています。一方、フォリスチムは、リコンビナント技術(遺伝子組み換え技 術)を使ってつくられており、その成分のほとんどがFSH(99%以上)という純度の高 い薬剤になります。
次に『スプレキュア』とhCGについてお話します。hCGは、LHによく似た働きをしますので、採卵前に用いることで、卵に最終熟成を促すLHサージのかわりになります。『スプレキュア』はアゴニスト製剤で、通常、ARTでは、採卵前にLHサージが起こって排卵してしまわないように、排卵をコントロールする目的で使われることのほうが多いかも知れませんね。この場合は、アゴニスト製剤によって、LHを産生する脳下垂体の機能を低下させる目的で使用されるのですが、実は使いはじめだけ、フレアアップと呼ばれる現象が起こり、FSHやLHの大放出が起こるのです。このフレアアップを逆手にとって、アンタゴニスト製剤(注射薬)で排卵コントロールをした周期の採卵前に、hCGの変わりに利用するのが、ご質問の状況でのアゴニスト製剤(点鼻薬)の使い方です。hCGはOHSS(卵巣過剰刺激症候群)を悪化させることがありま すので、OHSSのリスクがある方には、アンタゴニスト周期に点鼻薬で採卵準 備を行う方法のほうが適していると考えます。
こちらを参照してください。http://ylc.jp/about/contents/ treatment_1f.html
<ご注意>
この相談事例集は、あくまでも参考にとどめ、実際に何らかの行動をとる場合には、
必ず医師の診察を受けて下さい。
なお、この相談事例集により万が一不都合、不利益を被った場合でも、
回答医または山下レディースクリニックのいずれもその責を負わないものとします。
約1年近く通院いたしました。今回AIH9回目で2人目を授かりました。AIHを10回してダメだったらあきらめようと決めて気が楽になった時に、赤ちゃんができました。切望されて生まれてくる赤ちゃんは本当に幸せだと思います。どうぞあきらめることなくチャレンジして下さい。ゴールはすぐそこです!!山下先生、ナースの皆様、スタッフの皆さまお世話になりました。
©山下レディースクリニック